建築探訪 JR新駅仙巌園駅・名勝仙巌園・旧集成館・両棒餅

今回は鹿児島市のお勧め建築を紹介します
JR新駅 仙巌園駅エリアです。

仙巌園駅は2025年3月15日にオープンしたばかりの新しい駅です。

①仙巌園
まずはなんといっても名称仙巌園、ここは説明不要ですね。万治元年(1658)に19代島津光久が築いた別邸です。
ただ少し古い建物に詳しい方は『釘隠し』を探してみるのもいいと思います。

梁と柱の仕口にある釘隠し お屋敷にみられる装飾金物です

②鶴峰神社
こちらは島津家を奉る神社となっています。
御本殿は流造り、手前側拝殿は入母屋造りで、鳥居は神明鳥居となっています。
神明鳥居はいわゆる古いタイプの鳥居で2本の柱の上にまっすぐな横架材を乗せた伊勢神宮などみられる形式です。通常は木材で作られていますが、ここは石造おそらく溶結凝灰岩を使用しています。
現在は外装の工事中で足場があります。

鶴峰神社 鳥居

③尚古集成館 本館・別館
その横には尚古集成館があります。1865年に竣工し、現存する日本最古の石造洋式機械工場「旧集成館機械工場」です。レンガではなく溶結凝灰岩を使用しています。
国の重要文化財であり、仙巌園の一部とともに世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成資産「旧集成館」を代表する建物です。2024年10月に耐震工事等を終え、リニューアルオープンをしています。

尚古集成館本館 1865年竣工

建築物別館は第一回鹿児島市建築文化賞の受賞建物です。2024年9月にて尚古集成館別館は閉館しています

尚古集成館別館

④旧島津家吉野殖林所

その横には旧島津家吉野殖林所、現在は磯工芸館となっている建物があります。こちらは国の登録有形文化財です。1909年に建てられたもので、昭和にこちらに移築された築100年以上の建物になります。

⑤旧芹ヶ野島津家金山鉱業事業所
現在スターバックスになっている旧芹ヶ野島津家金山鉱業事業所は国の登録有形文化財であり、1904年に建てられ大正時代に鹿児島市城西町に移築、そして昭和にこの地に移築された築100年以上の建物です。両建物とも、木造の板張りの建物であり、洋風な建物の作りとなっています。白い塗装をした下見板貼りや窓周りやテラスの装飾が特徴的です。

旧芹ヶ野島津家金山鉱業事業所

⑥異人館(旧鹿児島紡績所技師館)
国の重要文化財に指定されています。1876年に竣工した建物になっています。江戸時代の羊羹であり、小屋組みなどに和の建築技術を起こした優雅で繊細な建物になっています。
1階と2階に、外廊下の形となっており、1階は石畳の床土間となっており、102メーター間隔で柱が整然と並んでおり、2階の柱ともつながっているため、とても線が強調された重厚感のある建物になっています。

異人館(旧鹿児島紡績所技師館)

⑦両棒餅店がズラリ
そこから少し南に行くと、カフェや飲食店が増えてきます。この辺りには、両棒餅と呼ばれる軽食を売るお店がたくさんあります。このジャンボ餅と言うのは、歴史が非常に古く、南北上時代にまで坂登ります。もともと鹿児島の谷山が発祥と言われています、その後江戸時代にこの磯地域で広まったと言われています。ジャンボ餅の由来は中国語でリャンと発音し、これが鹿児島県でじゃんとなってジャンボ餅になったと言われてます。
各店舗によってタレの味が微妙に違うので、食べ比べると面白いです。ドライブスルーの様な感じでちょっと渋滞中に購入する事もできます。元祖ドライブスルー。

両棒餅

⑧カフェ等リノベーション物件も多数
近年、新しくできた建物もあります
カヤカフェは約10年以上前リノベーションという言葉が流行りだした頃の先駆け的な建物でした。1階がカフェ2階から上がゲストハウスになっています。

元磯海水浴場ビーチハウスを改修したカフェも人気があります。内外装は、白やグレーを基調とした色合いに木材の色、そして植栽を分断に建物内外に配置し、とてもリゾート感のある雰囲気になっています。

とても小さなエリアですが、たくさんの見所が豊富なのが急いエリアです。ぜひ探訪してみてください。もちろん新しくできたJR仙巌園駅を利用して!

木元 達也

一級建築士設計事務所
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